2012年4月30日月曜日

美容院

ビデオカメラで撮影、編集する実習授業を担当している。

授業で撮影した動画素材をプレビューしてもらうと、ときどき「!」とか「?」な素材を見ることがある。

ひとりの学生が撮影されている。2−3日後、リテイクの素材を撮影し、編集しているのを後ろから眺める。
主人公は、ロングのソバージュヘアー、かわいい女子が豪快にショートケーキを食す、というシーンである。
リテイクの素材を、先週の素材と入れ替える。
…あれ?
「ちょいと待った」と学生にストップをかける。
「おかしくないの?」と学生に問うてみる。
「何がおかしいですか?」と学生は涼しい顔である。

カットがかわると、学生の髪の色が変わるのである。
撮影された学生をつかまえる。
「週末に美容院に行ったね」と確認する。
「分かりますう?」と学生はにこにこ顔である。
「髪を切って、ヘアーカラーしてみましたあ。似合いますう?」
うーむ、それだけイメチェンしたら、分からないはずがない。

似合うかどうかは問題ではなく、カットごとにころころとヘアスタイルが変わってしまっては、シーンとして成立しないのである。
どうして撮影されている学生は気にしないのか、どうして撮影した学生は気がつかないのか、どうして編集している学生は平気でつないでいるのか。

学生の考えていることは、私にとって、いつも、かなりの謎である。

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