2020年7月26日日曜日

学内風景

学生に入構禁止措置緩和から2週間、学内はぼちぼち事務手続きに来る学生がくるようになった。現在学事予定上では夏期休暇中なのだが、当方、そんな中で実技授業である。例年と違って、学内にいる学生が少ないこともあって、静かな作業中だ。
学生用に、図書館やギャラリースペースなどは限定的開放中、画材店は営業時間短縮営業中、学食はテイクアウトだけ、という状態である。入構禁止中に、学内はかなり整理されていて、今まであちこちに置いてあったベンチ類がかなり撤去されていた。学食やラウンジなどにあるテーブルもかなり減らされていて、なおかつ、あますところなくアクリルの衝立が出現している。建築学科出身の同僚とその風景を眺めて、アクリル衝立の数をざっくり見ながら経費を計算しようとしてしまったのは、習い性と言うべきかもしれない。
オンライン授業の受講用にいくつか講義室は開放されており、学生が自前のノートパソコンとヘッドフォンを持ち込んでいた。ただし、見ているのはそれぞれ違う授業なので、後ろから眺めると不思議な状況である。語学の授業を見ている学生の隣は、美術史の「授業中」である。
オンライン授業開始にあたり、学内のWiFi設備がかなり増強されたらしく、今まであまり無線が届かなかった教室も、それなりに強い電波が届いている。教室内20台ほど無線につなぐと、今までは「どよーん」としたスピードだったのだが、今や実用に耐えるくらいである。ただし、授業あるいはシステムそのもののフォローはあまりないようで、ハードウェア先行という日本人の特徴をそこはかとなく感じてしまう。
授業終了のチャイムが鳴ると、お掃除のオジサン数名がアルコールスプレーとウェスをもって扉の脇で待機している。学生を早々に追い出すと、あちこち拭きまくってくれる。消毒作業もかなり大変で気を使うだろう、お疲れさまである。
学生は全く「通常通り」授業に参加している気分なのだろう、今日もアタマをひっつけるように、おしゃべりに興じている。

2020年7月24日金曜日

オンライン

入構禁止措置緩和の中、授業が始まった。外出自粛中、講義科目はインターネットを利用した「オンライン授業」になった。授業を録画した「オンデマンド」方式、生中継だとテレビ会議のような「zoom」授業、ゼミなどではやりとりが多く「microsoft team」授業、などなど、さまざまな方法があって、研究室でも試行錯誤中である。教わる方も初めてなら、教える方も初めてなので、手探り状態である。当方、実技授業なので、オンラインに向く内容ではなく、幸い、なのか不幸なのかよく分からないが、今のところ「オールドスタイル」なスタンスである。
研究室で様子を聞いていると、オンライン授業もメリットあり、デメリットあり、なので、どのあたりが折り合いのつけどころなのかも、手探り状態。まだ日本未入国の留学生もいるのだが、海外ともインターネットならオンライン授業で進行することが出来る反面、受講者数が多い講義形式だと学生はマイクをオフにしてしまうので「講義を聞いているのか、別に音楽を聴いているのか分からん」という状況になるらしい。対面で学生の反応が見えにくいし把握しにくいこともあり、レポートやミニテストが多くなった授業も多く、以前よりも「むしろ大変」という声も聞く。
「今日の感染者数」がニュースのトップ、東京では感染者数増加の今日この頃、講義科目は今のところ後期も引き続きオンライン、が基本的な方針らしい。いや、大変な年度である。

2020年7月23日木曜日

再開

外出自粛期間が落ち着いた7月、勤務校は入構禁止措置を緩和し始めた。段階的に、施設を開放している。「大学生に日常生活」といったSNSの発信が話題になっているが、実技授業が主体な学校であるから、全部オンライン、には到底ならない。おかげで、本来は夏期休暇中なのだが、学生さんには対面授業をしに来てもらうことになる。
13日が授業初日だったのだが、この日が「初登校」という学生も多かった。自粛中は何をやっていたか、と言えば、オンラインの講義授業をして、ゲームして、といった手合いが多くいる中で、「引っ越ししてました」という女子がいた。実家からは電車を乗り継いで通わねばならず、この際、学校から徒歩圏内にアパート借りた、という「孟母三遷」という故事を思い出す。
授業中は「2メートル離れなさい」と言っているにもかかわらず、フェイスシールドを配布したにもかかわらず、気がつくと学生たちはアタマをつきあわせて話し始める。課題のことでも雑談でも、である。寄り集まるのは本能なのかも、と思いながら、今日も「離れなさーい」と言いながら実習である。