2017年9月4日月曜日

点灯中

またまた、輸入車の日常として、警告センサーや警告ランプの点灯など気にしない、というのがある。
多いのは「エアバッグ異常」だろうが、こういったセンサー類をリセットするのは、整備工場で整備コンピューターにつないで、と少々手間がかかる。まあ走行系に問題なければ、接触不良だろう、くらいで乗るようになってしまう。ピーターと狼、状態だ。ぶつかってみなければ、正常なのか接触不良なのかわからない。
今使っているのは、懲りもせず3代目のフィアットだ。同じメーカーで数台乗ると、なんとなく共通の癖がある。このメーカーは「オイル注意」である。警告灯が点灯しなくても、エンジンオイルの減りが早い。3代目は、ドライブに行った先で、思い切りオイルが少なくなっており、焦ったことがあった。以来、ドライブのお供はオイル缶である。
さてその後、ある日「エンジン異常」が点灯した。走行系で気になる。数日後、同居人と一緒に、購入したディーラーに持ち込むことにした。ちょっと遠方で、高速道路に乗らねばならない。走っていたら、いきなり具合が悪くなった。エンジンの回り方がおかしい。踏んでもスピードが出ない。走行に不安があり、レッカーに来てもらい、ディーラーにそのまま入院。数週間後の検査結果はバルブ破損。エンジンオイルの減りが早かったわけだ。イタリアの本社とやりとりしてエンジン交換と大工事になった。
その際に、ディーラーが代車を持って来た。営業担当者が帰った後で、エンジンをかけたら「警告ランプ点灯」中、である。しかも「エンジン異常」中、である。入院中のクルマと同じ状況である。あわててディーラーに連絡したら「あーすみません、点灯しっぱなしで大丈夫です。それで乗ってきたので問題ありません」。大丈夫か警告灯。いやいや、営業マン。
で、自車の方は入院が3ヶ月以上になった。その間、ディーラーの都合で、入れ替わり立ち替わり代車が3台。ちょっと長期の試乗のようだ。帰ってきた自車のエンジンはぴかぴかの新品である。
不幸中の幸い、事故もなく、生命の危機もなかった。今となれば、いいネタではある。国産車ではあり得ないだろうが。

2017年9月3日日曜日

ご機嫌

そんなわけで、国産車では「見かけない故障」というのもあった。同居人ともども、困ったなー、と言いながら、まあ生命の危険はなかったので、今となっては笑い話になったのもある。

VWゴルフは、大きなエンジンを積んでいた。いつものように乗っていたら、シフトアップしないことがあった。ローでかなり引っ張らないとシフトが上がらない。いまどきの自動車はコンピュータが入っていて、ときどき自分でメンテナンスするらしい。私はあまりふかして乗るタイプではないのだが、クルマの方はときどきふかして乗って欲しいらしかった。
フィアットのプント、というのも、「ざっくばらん」だった。こちらは朝一番の発進時に、ときどきシフトが入らない。一旦パーキング、ニュートラル、それからドライブと、順番にゆっくりシフトを入れ直す、のが「コツ」らしいことを発見した。マニュアルに書いてはいない「癖」である。
その後、助手席の床が水浸し、になった。近所のディーラーに入れたら、屋根から水漏れだろうと言うことで入院。それがかなり長期になり、2ヶ月後に戻ってきたが、状況が改善していない。雨もないのに、水浸しである。運転席は大丈夫なのだが、助手席は水浸しである。購入ディーラーが遠方だったが、こちらに持ち込んだら、エアコンの配管接続ミスで、よくあるんですよー、と30分で解決。
懲りもせず、次もフィアット、グランデプントを買ってしまった。昔から好きなデザイナーの手がけた車種だったからだ。これは、走行中にシフトが「抜ける」。走っていたら、突然シフトがニュートラルになって走行不能になった。出先だったので、最寄りのコンビニにやっとこさたどり着き、購入時の営業マンに遠路はるばる来てもらった。入院1ヶ月。これもその後あまり状況が良くなく、ときどき機嫌が悪くなった。修理工場を換えたり、パーツを換えたり、オイルを変えたりしたのだが、劇的には改善しなかった。結局これが手放す要因にはなった。
このフィアットはオートエアコンを積んでいた。温度計で外気と室内を測って、希望温度にする、というやつだ。冬の寒い日に乗り込んで、室内設定温度は20度、エアコンのスイッチオンで自動的に「温風」が出るはずなのだが、凍えるような冷気が出る。見ると測定外気が30度を示している。室内を20度にしようと、エアコン君は「外は真夏だー、それよりはマイナス10度にするぞー」と頑張っているのである。手動のエアコンと違って、こうなると欲しい温度の風が出ない。外気温の温度センサーを交換したら、即解決。
ここまでいろいろな故障があると、退屈しない。機械のご機嫌を見ながら、今日もエンジンをかける。

2017年9月2日土曜日

らしさ

引き続き。
同居人はクルマ好きである。何かヒマがあると、自動車ディーラーをのぞいている。購入する気もないのにカタログをもらってくる。市場把握と称して試乗の予約をする。
そういうことをする人がいるから、営業費というのが多額に必要で、それが車両価格に反映されているのである。
その後も何台か自宅の自動車は入れ替わった。家を引っ越して、自動車の台数が増えた。それでもどれかは輸入車という状況である。サイズの手頃さと、クルマとしての面白さ、というのは、国産車ではあまり両立しないらしい。マニュアル好きの同居人と、オートマの私が運転するので、私の常用はどちらかといえば、「マニュアルライクな乗り方が出来るオートマ」がチェック項目である。
何台か輸入車を乗り継いで思ったのは、ディーラーではなくアフターメンテナンスを考えないといけない、ということだ。輸入車ディーラーに付属している修理工場がベストか、と言えばそんなことはなかった。街で見かける「輸入車ディーラー」は、看板が同じだけで、実はフランチャイズみたいなところがある。近所の同じディーラーで情報を融通し合う、という状況ではないことがあり、保証期間の修理は必ず購入ディーラーで、というお約束がある。自宅の近所にディーラーがあれば問題はないだろうが、BMWのときはディーラーは近所、ディーラーの直営修理工場は駅をいくつか越えた別の場所だった。ショールームは、購入後は不要である。修理の出し入れで半日くらいは潰すことになる。
どのクルマでも問題なくノーメンテナンスで乗れた、ということはない。いつでもどこでも何かしら、だましだまし乗っているようなところはある。まあ「機械」というのはそんなもの、である。国産車だと、たいていの場合、こうはならない。だから「機械らしい」のだろうが。

2017年9月1日金曜日

消耗

入院期間が多いと、生活するのに時々不便である。修理しても状況が改善しないのはあまり嬉しくないので、次のクルマを物色し始めた。その頃、トヨタがVWの代理店を始めた。トヨタがやるなら、アフターの面倒見はいいだろうと、知り合いを紹介してもらって車種を物色。同居人が海外で生活していたときに初代ゴルフを使っていたそうなので、信頼度は抜群。試乗車はあまりぱっとしなかったようだが、たまたま従業員が使っていたグレードが気に入って即決。結果的にはこれが一番気に入って、長く乗った。
自動車としては完成度は高く、乗ったときの信頼度がある。一方で、国産車のような「かゆいところに手が届く」ような感じがしない。良い意味で無骨だ。参ったのは、エアコンのききが今ひとつ、ではなく、三つほど良くない。ドイツは暑くないからいいのかもしれないが、夏の暑い日など大変だった。
2回目の車検を通した後で、ぼちぼち気になり始めたのは、樹脂系パーツのもろさである。外も中も、樹脂やゴム系のパーツがダメになってきた。この辺の耐久性が国産車とは違うところなのだろう。トヨタで面倒を見てもらうのだが、どうしてもパーツの供給に時間がかかるようになったので、ぼちぼち手放すか、という話になった。クルマとは消耗品、という側面が大きいのだなあと実感した。