2018年8月31日金曜日

世襲

しばらく前に、文科省官僚子息の医科大学入学の裏口疑惑、というニュースがあった。
親父のような国家公務員よりも、よほど医者になりたかったのかもしれない。私が通っていた高校は「親が医者だから医学部志望」というクラスメートが多かったのを思い出した。
どちらかといえば、親は医療関係ではなく医学部志望、というクラスメートの方が少なかったような気がする。それだけ世襲的な商売なのかと、その頃は思っていた。
いとこの家が歯医者だった。二人姉妹で、姉が歯学部に入り、歯医者になった。ご学友と結婚したのだが、そのご学友の実家も歯医者。当然ご学友夫婦は実家の歯医者を継ぐものと思われた。いとこの家は、歯医者の婿さんをいとこ妹がもらわないと、後がない。そのうち、いとこ姉が通いで実家の家業を手伝いに来るようになった。朝、実家に出勤、仕事をして、自宅に帰る。街の歯医者なので、昔から来ている患者さんがいる。なんとなれば、2代目、3代目が診療に来る。患者が世襲なら医者も世襲、という感じだ。夫婦がお互い、実家の家業を継ぐ。別々の場所にあるので、朝は別々に出勤、というわけだ。まあ、共稼ぎの会社勤めなら、こういった感じで生活するのだからなあ、などと話していた。
いとこ妹は、音楽大学を出て、先生の事務所を手伝うようになり、結婚したという話を聞かない。すでに40は越えているので、今さら歯医者の婿さんということでもないのかもしれない。いとこ姉の家は女子一人、お互いの実家の歯医者を継ぐなら最低2人は必要なのか、という話を実家でしていた。
今年のいとこ姉からの年賀状の差出人氏名は旧姓になっていた。最近は疎遠なので詳しい話が聞けない。