2015年10月7日水曜日

ひび

今時の学生さんはほぼ全員がスマホ持ちである。

お金を払う側から言えば、機材も通信費用も安くはない。1台6万円は、iPhone で言えば最安価格帯である。最新鋭のゴージャスなの、と言えば10万円。パソコンとどっこいのお値段である。値段を見ると、ああこれは「電話」ではなく、「極小コンピュータ」なんだと合点する。
お値段、にもかかわらず、学生さんは無造作にズボンの尻ポケットに入れたり、ほいと机や椅子のヘリに置いたりする。たいてい授業中2ー3回は、「ごとん」というスマホ落下の音を聞く。
学生さんが授業中すりすりしているのを後ろから眺めると、かなりの割合で「傷んでいる端末」を見かける。ガラスが蜘蛛の巣のようにヒビが入っていたり、駆体が微妙にゆがんでいたり、隙間が空いていたりする。動作に支障がないからなのか、ガラス交換が1万円強で修理代金をけちっているのか、なかにはセロテープで補強しているツワモノもいる。


こういうスマホの持ち主を見ると、機械の扱いがぞんざいなのではないかとか、乱暴なのではないかとか勘ぐってしまう。
いやいや、明日も実習、ビデオカメラ落下の事故がないように祈らねば。 

2015年10月6日火曜日

トイレにあるペーパーホルダーは、ちょっとした「棚」状になっている。もともとがペーパーホルダーで、たいていは予備のロールが2〜3個上に置いてある。あまり重たいものは置けないというのは、見てわかる。

半年ほど前に施設担当者がシールを貼っていた。「この棚に肘をのせないでください」。
荷物でなくて肘、である。
肘を乗せて用を足す女子がいるのかなあと思ったら、無理やり肘を乗せてスマホに熱中し、肘に体重をかけるか力を入れるかで棚を破壊したのがいたらしい。

どういうスマホの使い方なのか、トイレに行くたびに謎を感じる今日この頃である。 

2015年10月5日月曜日

棚の上

中毒、というのは、当人たちも気づいているようだ。

街中でスマホに夢中になっていて、自分の子供の面倒を見ない母親、年寄りに席を譲らない電車の中の若いサラリーマンに対しては、問題視したりする。授業中にLINEで友達と昼飯の相談をしているのは、ずいぶんと高い棚の上に上げているわけだ。

授業では、コンセント沿いの席から埋まるようになった。スマホは電気を食う。少しでも充電しておきたいのだろう。コンセントにはスマホ用充電ケーブルがつながっている。
コンピュータを使った実習では、必ずマシンのUSB出力にスマホをつなぐ。これも充電中である。
学食では、向かい合って座った友達と話もせず、黙々とスマホをいじる。友達だ、とわかるのは、一緒に来て、一緒に帰っていくからだ。

友達とのコミュニケーションもスマホ、あるいはLINEである。休み時間中に、誰と熱心にやりとりしているのかと思えば、同じ教室内の向こうの席に座っている学生とである。おーい、と声をかければ済むだろうに。

2015年10月4日日曜日

すま中

今時の学生さんは、スマホ使いである。

授業中は一生懸命スマホをすりすりしているので、授業でわからないことでもあったのかと思ったら、LINE中である。
そのくせ、レポートが誤字だらけである。辞書を引いてね、と言ったら、学校に辞書を持ってきていません、と言う。そういう作業にはスマホは使わない。
授業に関することであれば、スマホ使用はやぶさかではない、と言っている。授業中にLINEしてもいい、と言っているわけではない。使用する目的や内容を「区分」できない。こういう状態が、すでに「スマホ中毒」というものである。

当人たちも、それは理解しているようで、「スマホがないと生きていけない」と公言して憚らない。

こういう学生さんたちは、メディアについて教えられることなく、使っている。習うより慣れろ、だったからだ。だから、自分の都合や興味の範囲で、操作や知識を深化させる。友達の夕食のおかずには詳しいが、個別的自衛権には関心はない。まとめサイトで情報を仕入れるので、興味のない範囲の情報は皆目知らない、という状態になるからだ。新聞であれば、興味のないことも横並びで「見える」ことがあるし、ラジオやテレビであれば「聞こえてくる」こともある。しかしインターネット、特に彼らのような情報収集の方法では、自分の興味の範囲の情報だけをピンポイントで集めてくる。最初から、問題外の外、なのである。