2012年4月14日土曜日

リーチ

大学の授業は朝9時に始まる。

遅刻をする学生に理由を聞くと、正直な学生は「寝坊しました」「電車で寝過ごしてしまいました」。自分の素行が理由である。
少し知恵がついてくると「バスが遅れました」「途中で腹痛を起こしました」。自分ではどうしようもない状況が理由である。
もう少し知恵がついてくると「駅で盲人を案内してました」「おばあさんに切符の買い方を教えてあげてました」「前を歩いていた人が空き缶を投げ捨てたので、拾いに行きました」。あえて社会的な奉仕活動が理由である。こちらの良心に訴える作戦をとる。
このあたりになると、本人の普段の素行と見合わせると、嘘か誠が分からない話になってくる。

もちろんこの頃には、遅刻の回数がかなりになっている。初日の遅刻から「社会的奉仕活動」を言う学生は皆無である。
適当なところで「そろそろリーチなので、あと1回遅刻したら課題は受け取らないよ」などと脅しをかける。たいていはこの脅しで、遅刻は止まる。

「アカハラ」と言われるかもしれないが、こうまで言わないと遅刻が止まらない学生の方がはるかに「ハラスメント」だと思うのだが。

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