2012年4月16日月曜日

180分

大学の実習授業は180分が一コマである。

授業時間の単位や区切りは大学によっていろいろと違うのだろうし、講義と演習と実習では同じ授業時間を消化しても学生が取得する単位が違っていたりする。学校をいくつか掛け持ちしたりすると、身体に染みついたタイミングや集中力が、妙なところで物理的に区切られたりして、面食らうこともある。

美術学校の場合、入試の実技試験は180分単位で進行することが多い。6時間のデッサンなどでは、午前3時間、昼食休憩、午後3時間、という進行になる。180分の間、試験に集中するというトレーニングを受験勉強では積み重ねるわけだ。
そんなこともあって、大学に入って実習が180分というのは、あまり違和感がない。

ところが実習では、180分で「やめられない止まらない」という状況が発生する。作業に熱中してしまい学生が止まらないこともあるし、指導に熱の入ってしまった先生がやめられないこともある。
私が学生の頃は、午後の授業は4時まで、4時10分以降の授業はなかったので、午後の実習は「やめられない止まらない」ことが多く、5時6時まで押すことはざらだった。ボーダーラインは午後8時半のロックアウトなので、それまでに後片付けを終えるようにすればよかった。午後1時から午後8時まで、休憩しながらの実習作業は、学校的にはいけないことだったのかもしれないが、それなりに楽しい作業でもあった。
現在の時間割だと、4時以降に講義科目をとる学生もいて、午後の実習も強制的に4時で打ち切りにせざるを得ない。「やめられない止まらない」状況はあり得なくなった。作業がぼちぼち佳境に入り、乗ってきたところで150分が過ぎていたりして、慌ただしく終えなくてはならない。
現在はロックアウトがなくなったので、8時に慌てて退去、という状況を見ることはない。ただ、火元管理者のいない夜間は現実的に使用は不可能なので、学生だけで「やめられない止まらない」と、引き続いて夜中に作業することもあり得ない。

物理的な時間の区切りと、作業のノリとは、ちょっと違うこともある。

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