ビデオカメラで撮影、編集する実習授業を担当している。
たいていの学生は、「ビデオカメラ」で撮影したことがない、と言う。携帯電話やコンパクトデジカメでも動画が撮影できる時代、YouTubeなど動画サイトを見れば素人動画がてんこ盛りである。しかし、実はあまり「つくる」方は一般的ではない。学生が普段「見ているもの」は、素人動画よりも、テレビやレンタルビデオで商業映画などの、玄人中の玄人の作業の方がはるかに多い。
であるから、授業で撮影した動画素材をプレビューしてもらうと、ときどき「!」とか「?」な素材を見ることがある。
ビデオカメラはハイアマチュアとかセミプロ、業務用の機材を使わせている。フィルムカメラと違って、まったくの素人でも「何も撮影されていない」という状況は基本的には、ない。どんなときでも「そんなはずは…」というのは、操作ミスであることが多い。
スタートボタンを押して録画が始まり、もう一度ボタンを押すと録画が止まる。フィルムだと、撮影中はフィルムが走行するのでやかましいが、ビデオカメラはいたって静かである。だから、ときどき、「ボタンのタイミングがずれちゃった」のがある。
動画の頭に「おーし、カット−、オッケーでーす、さて、次のカットはー」などという会話が入り、移動したりピント合わせしたりして、「よーしスタンバイ、いきまーす」で動画が終わる。本番は撮影されていない。この繰り返しが延々と続いている。
NG集を作るのであれば、完璧である。
フィルムじゃないのだから、どうして撮影現場でプレイバックしないのか不思議である。
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