2012年4月21日土曜日

落とし前

実習授業ではグループで作業する。

人数の多少に関わらず、協調性のない学生というのが必ず混じる。
遅刻しがちだったり、ドタキャンしたり、言われたことをやって来ないなどという、いわゆる「約束を守れない」タイプである。わざとやっているのではないだろうし、悪意があるわけではないのだろうが、他人には必ず迷惑がかかる。ごめんごめんで済ましているうちはまだ平和だし、リカバーしやすいことであれば、みんなで目をつぶっていたりする。
しかしこれが、約束を守れない回数がこんできたり、わざとやっているのかと疑いの目を向けられたりするようになると、グループ作業はそれ以上進行できなくなることがある。険悪な雰囲気になり、村八分になったり、シカトされるようになる。あいつには単位をやらないでください、などと言いに来る頃には、すでに「共同責任」という範疇を超えてしまう。
ここまでこじれてしまうと修復はもはや不可能である。だから、グループ作業を始める前に、グループで予めルールを作っておくように、と言うようにしている。例えば、遅刻の常習者が居るのであれば、遅刻5分につき500円玉1枚、というペナルティだ。貯金箱を一つ用意しておいて、遅刻するたびに500円玉を入れておく。5分につき50円では安いので、遅刻することの「罰則」にはならない。ちょっとつらいけど、難しくはない、というルールにすることが大切だ。たまった500円は、課題の打ち上げの足しにすればいい。

こういうのを、私の授業では「落とし前」と言っている。500円玉は単なる例なので、他のかたちで「落とし前」を払うことにしても良い。
落とし前は、金知恵身体に限る。金がなければ知恵を出せ、知恵が出なければ肉体労働でよろしく、ということである。

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