2012年5月31日木曜日

すりこみ

メディアの伝えていることをそのまま信じることがあぶない、というのがメディア・リテラシー教育の基本である。

まあ、教育の原点としては、国によって様々な側面もあるだろうが、映像を専門分野としてやっているとしみじみ感じるのは、プロパガンダ、である。
授業では、レニー・リーフェンシュタールの「意思の勝利」などの映画をサンプルで見せたりする。ナチスが様々なメディアをプロパガンダに使ったというのは世界史ではよく言われるが、実際に映画を見ると、よくできてるなあと思うのである。撮影のサイズ、アングル、ポジション、編集、音声、どれをあわせても、団結してヒットラーと共に歩むぞーという民意の気合いに充ち満ちている。
レニー・リーフェンシュタールが意図的に構成したことはもちろんだが、それが「芸術のため」だったか「ナチスのため」だったのかは、本人にしか明言できないし、それは作品からは証明できない。

メディアを鵜呑みにすることで危険なのは、政治的なイデオロギーを「すりこまれる」、ということでもある。

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