2012年5月20日日曜日

乗り物酔い

ビデオカメラで撮影、編集する実習授業を担当している。

「見たことがない」手法を斬新だと思ってしまうのは、まあ若気の至りとでも言おうか。かわいいものである。
しかし、実際にその手法で撮影されたものは、「かわいい」を通り越してしまうことがある。

数年前になるが、地方の女子高校で文化祭の記録を生徒会がビデオで撮影していた。文化祭の終了後、生徒会は総括を大教室で行い、その際撮影したビデオを上映した。暗幕を引き、スクリーンに大きな画面で投影する。
上映後、数十分のうちに、「気分が悪い」と教室から生徒が這い出てくる。1−2名どころではなく、かなり大勢で、保健室ではまかないきれず、救急車を呼ぶ騒ぎになった、と新聞記事になった。
理由は簡単である。記録は手持ちのフルオートで撮影されていて、編集されていなかった。暗い教室で大きなスクリーンだけを見る状況で、オーディエンスは画面に見入ったおかげで、「乗り物酔い」になっただけである。

撮影している方は「ノリノリ」かもしれないが、見ている方は苦行を強いられるのが、「手持ち撮影」なのである。

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