2012年5月2日水曜日

説明

ビデオカメラで撮影、編集する実習授業を担当している。

授業で撮影した動画素材をプレビューしてもらうと、ときどき「!」とか「?」な素材を見ることがある。
編集しても「!」だったり「?」だったりすることもある。

ひたすら人物が学内を走りまくっている素材を見せられる。昨日の続きである。
なぜ走っているのかと学生に問うと、遅刻しそうだから、と答える。
「うーん、遅刻しているという表現が欠落しているよねえ。だから、単に走っているだけ、になってしまうのよ」
とたんに、学生は目をきらきら輝かせる。
「遅刻って言うのが分かればいいんですよね」。
まあ、遅刻が分かればいい、という問題ではないのだが、まあ最低限の情報ではあるだろう。

追加撮影したものを加えて、意気揚々と編集を始める学生。ファーストショットは主人公の腕時計の文字盤のアップだ。主人公の台詞がかぶる。「あー、やべえやべえ、遅れちゃうよお」。

うーむ、逆効果であった。それはあまりにもチープすぎる。そういうのは「説明」であって、「表現」ではないのだが。

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