2012年5月6日日曜日

コメント

美術学校の実技授業では、最終的に作品を仕上げたら、全員の前でプレビューする。
これはごく一般的な風景だ。他人の作品と横並びになった時に見えてくるのは、自分の作品についての「評価」である。
担当している授業では、できるだけ学生に、他者の作品について発言やコメントをしてもらうようにしている。自分の作品と比べてどうか、ということは、学校に来ているからこそ「見える」ことである。

ところが、ここ数年、増えてきたコメントがある。
「A子さんは、がんばって作業をしていました」
うーん、それは作者についてのコメントであって、作品についてじゃないんだけどね。
じゃ、自分の作品はどうでしょうか。
「ここまで一生懸命頑張って作品をつくった自分をほめたいと思います」

作品じゃなくて、努力を評価対象にしたいと言うことなのだろうか。
ここは美術学校なのだから、作品について客観的に見て欲しいのだが。

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