2012年5月12日土曜日

逆再生3

映像が見世物だった時代、逆回転は時間をコントロールする手段の一つであった。実写による映像が見られるようになると、それは映像内における「架空のリアリティ」を感じさせるようになった。
興行的な映像制作が行われるようになると、逆回転はトリック撮影の手段として利用され、映像的な効果として使われるようになった。
技術的に逆回転が難しかった時代には、それを使うための動機と熱意、支えるための予算が必要だった。
コマンド一つでそれが行われるようになった今日、逆回転を使う理由は、制作者が伝えるべきメッセージに十分に込められなくては、アプリケーションのサンプルデモにしかならなくなった。

映像制作のカメラとアプリケーションが簡単に手に入るようになった現在、従前の表現やその歴史を知らずにさまざまな手法を「開発」し、表現したかのように見せられることが多くなったような気がする。
「人が表現する」ことと、「機械が表現できる」ことは、少し違うのではないかと考えてしまう今日この頃である。

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