2012年5月8日火曜日

箸と棒

私が学生の頃は「箸にも棒にも引っかからない」作品は、コメントすらもらえず、素通りだった。だから、コメントされる作品にする、というのが当座の作業目標である。
先生によっては「こき下ろす」タイプの人がいる。これはこれで分かりやすい。ダメな点は明確に指摘するからである。こき下ろさせず、素通りさせるための作戦を考える。

この類の課題は得てして「結果オーライ」になりがちではある。努力していないのに評価される学生がいるのは不当だとは思ったが、努力しても駄目なことはあるとも知った。いくらやってもダメだと、自分の才能を見限ることもたくさんあった。誰もが、努力によって、どんな才能も開花させることは出来ない、と思った。

しかしそんなことでへこんでいては、人生は始まらない。誰もが同じ方向を向かないし、向かせないのが美術学校の良いところだ。自分だけに出来ることを探せばいい。全てに対して「高得点」ではなく、ピンポイントで「ずば抜けている」方がいい。

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