2012年5月19日土曜日

勘違い

ビデオカメラで撮影、編集する実習授業を担当している。
学生は1年生、たいていは意欲満々だったりする。

とりあえずカメラを渡して撮影させたり、数名のグループで何かプロジェクトを立てて数日で作品を仕上げるような課題をする。「意欲満々」な学生は、最初のところでよく「勘違い」をしたりするものである。

彼らが日頃見ているのはテレビ、映画であればレンタルビデオかビデオオンデマンド。どちらかといえば「流行」であったり、「話題」のものが多い。それらはある程度のパターンがある。話題になる原作やキャスト、製作費、使われる音楽、派手な演出、といったものだ。見ているものはかなり「偏った」ものなのだが、見ている本人は、そうは思っていない。
だから、授業ではよくこんなプランを出したりする。
「全編手持ちの主人公の主観ショットで撮影して、主人公と観客を一体化させます」。

うーむ。気合いはわかるがねえ。どうしてこんなことを考えついたの、と学生に問うてみる。
「今まで見たことがない斬新な手法じゃないですか」。

うーむ。同意はしかねる。斬新な手法、というわけではない。
君が見たことがないのは、斬新だからではなく、映像の語り口として効果的ではないから、なんだけどね。

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