2014年7月2日水曜日

無意識

学生さんの授業を見ていると、いろいろと感じることがある。

大震災直前に、スマホか携帯電話で入学試験のカンニング、というのが話題になった。学生さんが大学に持ち込むガジェットもいろいろと増えた。最近減っているのは携帯ゲーム専用機、それにいわゆるガラケーという携帯電話専用機、電子辞書の類いだろうか。

携帯電話からスマホになって顕著になったのは、授業中に教科書ではなくスマホに熱中している学生が多くなったことである。実習作業だと、まあ折々に調べもの、という状況があるので、授業内では禁止していない。しかしそれを拡大解釈して、ずーっとスマホでSNSをしていたり、ゲームをしていたりするのである。ああこれがスマホ中毒というものか、と思う。授業中に必要なければやらないようにと注意しても、5分ともたない。ちょっとこちらがよそ見をしている間に、スマホを取り出して画面をすりすりしているのである。ああこれが依存症というものか、と思う。

我慢できないのは「飲み物」も同様に感じることがある。コンピュータがぞろぞろ並んでいる部屋では、「飲食禁止」が原則である。授業内でも最初に注意する。にもかかわらず、さりげなく鞄からペットボトルを出してごくごくと飲み始める。ああこれが習い性というやつか、と思う。注意すると、「あっっ」と言って、初めて気づくのである。「飲んでいる」という自覚がない。以前に美術館の展示室でペットボトルごくごく、というのを目撃してびっくりしたことがあったが、同様である。教室で休み時間に飲むならいざ知らず、授業中にもごくごくである。缶コーヒーや缶コーラはさすがに栓も出来ないので、その場で飲みきるしかない。だから授業中にごくごく、というのは見受けることがなかった。

文明の利器は、人間の行動意識まで変えてしまうものである。

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