個人情報保護法、というのが出来た。同居人の勤務校は小学校だったので、ずいぶんナーバスだった。
電話連絡網も、個人情報保護、と言う名のもとに、結局一斉同報メールシステムに変わった。クラスの名簿も発行しにくくなったので、同窓会のお知らせ一つ出すのも大変である。もちろん先生の個人的な住所なども知らせなくなったので、同居人にあてた子どもさんからの年賀状は減少した。
保護法以前は、クラス名簿はあって当たり前、という世界だった。どこで知ったんだろう、と思うようなダイレクトメールが届いていた。高校受験の時期になると進学塾、大学受験の頃になると予備校、20歳になると呉服屋さん、大学卒業の頃になると就職活動情報誌、お年頃になると結婚式場のご案内である。そのうちきっと「お墓」まで来るんだろうなあと笑っていた。ダイレクトメールというのは、たいてい右から左にゴミ箱に入るだけだ。
同居人はバツイチだったので、ずいぶん長い間、元奥様宛のダイレクトメールが来ていた。宝石、毛皮、呉服、海外ファッションブランド、とずいぶんとお派手なものが多かった。いなくなったという情報は「訂正」されず、延々と「昔の」名簿でダイレクトメールが送られてくるのである。こういうのはどこに訂正を申し入れれば良いのだろうか。
同居人には、いなくなった子どもがいた。これもその後10年ほどは届いていたのではないだろうか。振り袖のダイレクトメールが来たときは、今はこんなお年頃なんだねえと、思い返したようだった。
住所の公開などナーバスになっている今日この頃、そういったことはもうないのだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿