2014年7月22日火曜日

単位

ぼちぼち学期末である。

ひとつの授業科目が終了すると、学校からアンケートをとるように、と学生向けの「授業評価アンケート」用紙を渡される。
毎度感じるのだが、何となく、しっくりこない。
授業についての評価が受講生によって行われ、それが大学の教育の総体として伝えられるのであれば、最高の教育機関と言うのはカルチャースクール、ということになるだろう。

学生様はお客様であり、彼らを満足させることが、「良い授業」であるなら、出欠をとらず、レポートも試験もなく、単に単位を乱発すれば良いからである。そういう授業が、学生を「馬鹿」にしたものであり、「教育」と言う役割を放棄していることは、誰にでも分かりそうなものだ。
最近は、学生の学習態度も付加されていて、「シラバスは事前に読みましたか」「授業には前向きに取り組みましたか」などという質問まで入っている。シラバスを事前に読んでこず、授業に前向きに取り組めないのであれば、授業は面白くないに決まっている。何を今更、当たり前のことを質問しているのだろうか。がっつり取り組んでも、自分には「興味がわかなかった」というなら分かる。だから授業には前向きに取り組めなかった、という論法なら分かる。それは学生自身の「意欲」や「努力」への評価であるはずだ。授業に対する評価ではない。
「興味がわかなかった」学生に、「興味をわかせる」ことが、授業の目的なのだろうか。シラバスを事前に読み、興味が持てそうだから、授業を受けたのではないのだろうか。もしかしたら、興味がわくかもしれない、という期待が、受講の動機なのだろうか。謎である。

もちろん、自分の興味のある科目だけ、意欲の出た科目だけを学習したいのであれば、「学校」という組織や学習形態は必要ない。いやなものでも強制的に学習させられるのが「学校」であり、そこで得るのは「努力」という習慣である。しかしそれこそが、社会に出たときに唯一役立つものだ、と言ったのは、E.デュルケムだったかな。

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