2014年7月28日月曜日

連絡

それから幾星霜。
20年ほど経つうちに、大都市圏では核家族化が進み、共稼ぎのおうちが増えた。
留守番電話という文明の利器が開発され、電話連絡網は人間相手ではなく留守番電話相手に伝言することが多くなる。
留守番電話の難点は、「伝言承りました」だけであり、そのおうちのひとが「聞いたよ」という確証が持てないことである。

同居人は小学校の先生歴が長いのだが、このあたりの過渡期を「先生」として過ごしていたわけだ。

いつの時代であっても「連絡」は大切で、必要、だが、難しいものである。

そのうち「携帯電話」というものが普及し、電話連絡網では二つ三つの電話番号が並ぶようになった。
お仕事中はコレ、プライベートにはコレ、とひとりでいくつかの携帯電話を使いこなすお母さんもいた。伝言を送る方は、時間を見て電話番号を選ばねばならない。お仕事中に電話をしたら「次の人の電話番号が分からないので、次の人に回しておいてください」などと言われ、保護者会で話題になったことがあるらしい。結局、専業主婦で家にいる人が、かなりの人数に電話することになるからだ。

「ご連絡」というものは、いろいろと難しいものである。

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