運動会にしろ、学芸会にしろ、一生に一度しかないイベントを「記録したい」と思うのは、たぶん一般的なことなのだろう。記録のためのツールがさまざま開発され、入手できる、しかも技術の発達のおかげでブラックボックスのままツールを使っても、そこそこのクオリティで記録される。ありがたい世の中ではある。
しかし、下向いてモニターのなかの虚像を追っているホームカメラマンのご父兄を見ていると、見るべきものは違うのではないか、という気もする。
子どもが手を振りたいのは、レンズではなく、自分を見つめてくれる人、なのではないだろうか。
姪っ子が通っていた幼稚園は、イベント時にカメラの持ち込み禁止だった。プロのカメラマンを数名配置して写真を撮影し、後日希望者に焼き増ししたり、学芸会のビデオを配付したり、ということをしていた。
父兄は心おきなく、肉眼でイベントで活躍する子どもを「記憶できる」わけである。
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