2012年3月8日木曜日

価格設定

授業をやっていると、学生さんの反応がとっても新鮮なことがある。
しかし、「壊す」ことにかかる場合は、新鮮を通り過ぎてびっくりである。

担当している授業では、ビデオカメラやスチルカメラを使う。三脚やスタンド、「ねじ」でとめたりはずしたり、ケーブルプラグをジャックに突っ込んだりはずしたり、といった作業はごく日常的な作業である。
最近の学生さんは、男子であっても「技術家庭科」といったものになじみがないのか、お父さんの日曜大工の手伝い、といったこともやったことがないのか、「ねじを締めて」と言っているのに一生懸命逆時計回りにまわしていたりする。逆に、「ねじを締めて」と言ったら、時計回りに一生懸命、渾身の力を込めてまわして、ねじ切ってしまうこともよくある。体力で機械を壊すのは、女子の得意分野である。

RCAプラグを機械本体の背面パネルに突っ込んで、押し込んでめり込ませる(当然内部断線)。ロータリースイッチを回してぶち切る(内部断線の上、スイッチボタンやダイヤルを外してしまったり、プラスチックパーツを割ったりする)。ボタンを押し込み陥没させる(これも内部断線)。SDカードをスロットにぎゅうぎゅうと押し込んで内部に陥没(または内部でカードが破損)、データがディスクの時代はぎゅうぎゅうと押し込んでドライブ内部で破損(取り出し不可能)。ビデオテープが絡まったからとカセットを引っ張りだして傷んだテープをセロテープで補修し再度機械にかけてしまい再び絡まり(ローダー破損)、更に当然のようにビデオヘッド破損(修理不可能となり機械は廃棄処分)。規格の違うテープを突っ込む(VHSテープをベータカムのスロットに入れるなど)、規格の違うカードを突っ込む(SDスロットにミニSDカードを入れる、CFスロットにスマートメディアを入れるなど)して、イジェクト不能(メーカー修理、または機械を壊してカードを取り出す)。

こちらとしては、だけではなく、修理を持ち込んだ窓口の係の人がときどきびっくりするような「壊し方」があるので、泣きたいほど新鮮である。学費が高いとお嘆きの保護者の皆さーん、機械を使う授業の授業料や設備費は、こういうところが反映された価格設定なのである。

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