2012年3月2日金曜日

ゴミ箱


授業をやっていると、学生さんの反応がとっても新鮮なことがある。

コンピュータを使い始めた10年以上前は、あまり使い慣れない学生が多かった。
小学生だともっと輪をかけて新鮮なことがある。

当時、小学校でMacを教えていたクラスでの話である。今で言えばClassic OS、たぶん8とか9くらいの頃である。
「本日の作業が終わったら、自分のつくったデスクトップの書類をゴミ箱にドラッグしてください。ドラッグしたらゴミ箱がふくらみます。ゴミ箱は空にしておきましょう。空にすると音がしてゴミ箱が元のように空になります。これで本日の作業は終わりです」
などという作業内容であった。

授業終了後、先生がコンピュータの状況を確認していると、デスクトップにあった書類はもとより、もともとあるべき書類やフォルダ、アプリケーションやシステム設定がなくなっていたコンピュータが続出していた。
現在のMacOSと違って、昔のOSではゴミ箱に入れるとゴミ箱が太って、空にすると効果音と共にゴミ箱が痩せた。それが面白かったのか、子どもは手当たり次第、ファイルだろうがアプリケーションだろうが、何でもゴミ箱に入れて、ピューという音をさせて楽しんでいたというわけだ。「捨てて良いもの」「捨ててはいけないもの」の区別がつかなかっただけなのである。

小学校のことで、1クラス40人、マシン40台、先生は一人で、アシスタントは誰もいない。翌日の授業のために、先生の残業が大変であったことは言うまでもない。

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