2012年1月23日月曜日

トレーニング

 美術学校の入試というのは、ペーパーテストだけではなくて実技試験があったりする。
最近は公募推薦やセンター入試利用、小論文や面接やら、いろいろと試験方法もたくさんあって、どうなっているのか、当事者ではないのであまり知らないようにしているが、その昔は実技と学科がノルマだった。

音楽学校もそうだろうが、実技の方が入学考査のウェイトが高くなることが多い。美術予備校というのは、実技試験をターゲットに、カリキュラム(トレーニングと言った方がいいかも)を組む。
実技の時間と、画材が入試要項で発表されるので、それに合わせて調整していくのである。何を描かされるのか、例えばデッサンなら石膏なのか人体なのか、などということは詳細に発表されないので、前年度までの入試問題である程度のヤマをはって絞り込んでおく。
このあたりの「ヤマ」の取り方が、予備校によってずいぶん違う。今年はA研究所がたくさん入学したが、次の年は昨年ほとんどいなかったB予備校が大量合格、ということもあった。
高校の授業や、美術部の活動では「ちょっと間に合わない」のが、美術学校の受験だった。夏期講習や春期講習に参加したりして、「受験のスキル」を身につけるのである。今思えば、デッサンにいちばん入れ込んでいたのは、その時期だったかもしれない。大学に入ると、「デッサンが出来るのが当たり前」であり、それを前提にカリキュラムが組まれていたからだ。

私が業務として試験監督をしていたのはもう20年近く前になる。今とはやはり状況も違うだろう。携わっていたのは、都合6-7年になるだろうか。ちょうど受験者数が毎年増加していた時期でもあり、今は昔である。

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