2012年1月21日土曜日

モード

卒業制作展が終わると、大学は「入試モード」に突入する。
卒業制作展はある意味でお祭り騒ぎに近いノリだったりする部分があるのだが、がらっと雰囲気が変わってしまう。

卒業制作展の後片付けが終わると、学内は入試のためにあれこれと準備が始まる。
今は少子化時代で、受験生もひところよりも少なくなったようだが、それでも美術学校の入試は実技試験を伴うので、そのための準備があれこれと必要である。

実技試験は大きく分けると、デッサンなどの絵画や描写をするもの、平面構成などのデザイン系の試験、ほかには簡単な立体構成やドローイングなど、その年度や学科によってさまざまである。
ペーパーテストのように、講義室に試験用紙を配って、というだけでは済まない。イーゼルやモチーフの台を運び込み、並べたりすることはもちろん、アトリエであれば暖房機器の準備、油絵の実技なら筆洗の準備など、実はこまごました会場準備がいろいろと必要である。
こういった仕事は「施設管理」関係の事務職員が担当していて、それが学生のアルバイトを雇う。いいペイで雇われるが、とにかく肉体労働である。試験の前から作業が始まり、試験後は翌日の準備と、断続的な長時間拘束である。

入試準備の時期になるとすでに学内は入構禁止になる。守衛室のチェックも厳しく、人も少ないので正門から眺めると、少し静かで寂しいがモノモノシイ雰囲気になる。

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