2012年1月17日火曜日

確認

1月初めから終わりまで、たいていの学生はかなり忙しく過ごす。
1年から3年までは、学期末で課題の提出がいくつも重なる上に、期末試験やレポートまである。4年生は当然卒業制作なので、一生がかかっていたりする。
在学生は当該学年の必要取得単位の内、何単位を落とすと「留年」、それまでだと「仮進級」という措置があった。仮進級だと、進級先の学年で落とした単位を挽回するのである。

語学や体育、美術史などの講義科目は、4年間で必要単位をとって「あがり」である。
単位取得は「自分の裁量」だったので、自分で指折り数えて確認し、不安なら教務課に問い合わせたりした。

助手だった時分、ある学生が、優秀な卒業制作を提出、優秀賞を授賞することにした。手続き万端、これは卒業式でも専攻分野の総代だねえ、などと言っていたら、体育の授業をひとつ落としていたことがその後の卒業判定会で判明、大騒ぎで優秀賞を撤回、卒業証書が出ないことになってしまった。
当時は、やはりのんびりした時代で、卒業式には卒業生席ではなく、父兄席に座って参加、一緒に記念撮影にも、ちゃっかりおさまった。内定先の会社には内諾を取って、前期期間中の土曜日に、体育の授業を在学生に混じって受けに来て、9月に無事めでたく卒業証明書を入手した。
2年生であった間に、真面目に土曜日に授業を受けていたら、こんな羽目にはならなかったけどねえ、とその数ヶ月、土曜日の授業帰りに研究室へ寄り、お茶を飲みながら反省しきり。非常にレアケース、というわけでもなく、ちらほらそういう「仮卒業生」もいた。そういうことであまり「くじける」人が少ないのも、美術学生の特質だったりしたかもしれない。

今は4月に教務課が、学生全員に前年度までの単位取得状況を確認するペーパーを配るようになった。指折り数えたり、卒業制作提出後単位が足りなくて、びっくりすることもなくなった。

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