2012年1月2日月曜日

なごり

学生の頃は8時半ロックアウトという制度があった。午後8時半に全校舎の非常用コンセントを除く全ての電気が管理室で落とされる。教室で我を忘れて作業していたらいきなり「真っ暗」になった。その後守衛さんが教室の施錠に来る。その前に、そそくさと身の回りを片付けて慌てて帰った。
卒業してもしばらく続いていたから、まあ学校的には良かった制度だったのだろうくらいに思っていた。
学生紛争の名残だ、と聞いたのは卒業してからだった。学園紛争から10年以上も経つのに、まだ「名残」、のんびりした学校である。
あとで古い卒業生や、長くお勤めの先生に聞くと、いろいろな「名残」を教えてくれた。
ある校舎の屋上は、新築時に夏の熱対策に屋上に小石を敷き詰めたらしい。それが紛争時、一夜にして事務職員が人力で運び下ろしたそうだ。学生が屋上から投石するのを防ぎたかったのだろう。紛争後もそのままで、その校舎の最上階は夏はとても暑いのである。紛争が終わったら石を「現状復帰」することは、事務職員は考えなかったのだろう。
キャンパスの中庭は現在アスファルトで舗装されているが、最初は煉瓦で敷き詰められていたそうだ。ここも「投石予防」のため、一夜にしてアスファルト舗装された、という話である。ここも未だに現状復帰されていない。

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