2014年11月1日土曜日

セコハン

最近の大学では、入学と同時にノートパソコン支給、というのも聞くようになってきた。

以前に見学しに行ったことのあるカナダの美術系のカレッジでは、10年以上前からその作戦をとっていて、コンピュータを使った作業は自分のパソコンでやる方針だった。
勤務校でもいくつかの専攻では、入学と同時にパソコン、デジタル一眼レフカメラなどが「お約束」として購入するようになっている。学生の間では、macbookと一眼レフを持っているのは○○学科専攻学生、というように、「目印」になっているようだ。

以前にも書いたが、私が学生の頃は、一眼レフカメラと暗室用具一式が購入必須だった。午後8時半全学消灯のロックアウト制度の残る大学内の工房では、徹夜の写真暗室作業が出来ないからだ。作業は基本的に自宅でやれるようにということだった。
カメラを自前にするのは、「自分の目玉」になるからだ。始終手に持っていれば、使い方も慣れてくるし、シャッターを切る機会も多くなる。
もちろん、写真専門に学習を続ける学生さんばかりではないので、ひととおりの授業が終われば、さっさと機材を処分する学生もいる。そういう学生と、下の学年の学生さんとで、「セコハンマーケット」が成立していた。新品一式が20万円前後だが、セコハンだと半額くらいになる。中には、2代目3代目と継続して使われる機材もあって、セコハンどころではなくサードハンドやフォースハンドになっていたりする。


フィルムの業界と言うのは、技術革新が早いと言うわけではない。新しくなっても、ケミカルとか光学とかの部分的なものなので、大枠の作業自体はあまり変わらなかった。だから、「代々の学生さんに渡って行った機材」というのがあったりした。もちろん、実家の親父さんやオジさんの趣味が「写真」という学生もいて、分不相応に高価なカメラだったり、えらくクラシックな引き延ばし機を使っていたりするのもいた。

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