教務課に返事をした数日後、今度は研究室から同居人に連絡が入る。
先の「クレーム君」についてである。
クレーム君はどうも4年生だったようで、卒業が決まっており、もちろんその後は社会人として華々しい活躍を期待されている、ようである。
同居人の担当科目は教職科目の必修である。つまり、この単位が取れなくては、教員免状が出ないのである。
ところがクレーム君はどうも、教員試験を受験するようである。つまり、同居人の担当科目の単位が出なければ、教員試験は受験できない、ということになる。何とかならんか、と言う話である。
最後列で爆睡しておしゃべりして授業など聞いていなかった学生に単位は出せない、と同居人はしばらく突っぱねていた。食い下がったのは連絡をしてきた研究室の担当教員である。さすがに同世代の紛争世代、無理なごり押しは慣れっこ、お互いに粘って交渉している。
ここで不思議なのは、なぜ当のクレーム君が登場しないのか、ということである。
教務課としては「試験落第」でクリアだが、担当研究室としては卒業生の動向は「成績」に響くからなのかもしれない。
問題は、クレーム君は卒業したいのか、先生としてやっていきたいのか、ということである。先生業をしたいのに、教職科目が落第、とういのは、本人的には問題にはならないのだろうか。
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