2014年10月31日金曜日

分割払い

デジタルな機材の代表と言えば、コンピュータである。
手近にあっていつも触れるようになって、やっと慣れ、使えるようになるものである。

20年近く前のことである。
コンピュータグラフィックス、というのがまだまだ手の届かない時代である。どうしてもそれをやってみたい学生さんがいて、1年生のときに機材の購入を企てた。パソコン、ディスプレイ、入出力装置一式である。一括ではもちろん買えない。安い乗用車並みのお値段である。ローンを組んだ。卒業制作までそれで制作しようと、アルバイト代をつぎ込む予定で4年ローンである。その頃のそういった機材は、学生さんにとってももちろん「高嶺の花」である。クラスの中でも話題になって、数名がいつも彼のアパートに入り浸りになっていた。

しかし悲しいかな、技術進歩は早いものである。翌年には新型モデルが発売になり、次の年には性能倍増のモデルが半額で発売された。3年後はその倍増である。
購入した学生さんは、4年生になったときには既に型落ち、爆遅の機材で作業するはめになった。ローン中なので転売も出来ない。泣く泣く、学校の機材と自宅とをピストン往復しながら作業していた。

教訓。デジタル機材はローンで買わない。4年後には機材の状況は激変する。

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