2014年10月10日金曜日

厚み

応募する先によって、それぞれに研究業績書や履歴書のフォーマットが違う。
もちろん、アピールするポイントも、応募先によっては違ってくるので、まるきり同じものを流用できる訳ではない。

応募先のフォーマットに従って再編集と再作成をした研究業績書を提出しても、「再提出」を課す応募先もある。罫線が一本足りないとか、ここの欄のフォントの大きさが違うとかである。ずいぶんと細かいことに気がつくなーと感心する。
むしろ使いにくいフォーマットに、地道に文字入力をする「根性」や、細かいところまでチェックできる「重箱の隅がつつける能力」が試されているのではないかと勘ぐったりする。

某国立大学では「プリントアウトされた業績書の厚みが大切なので、各項目を丁寧に記述して枚数を稼ぐように」という現役教員からのアドバイスももらったりした。薄いよりも厚い方が良い、という価値観は、大学としていかがなものか、と考えるのは私だけだろうか。ひとつのことを地道にコツコツ、といった研究者は、認められない、ということなのだろうか。

同居人だけかもしれないが、これだけの書類をつくるために、それなりの時間と手間がかかる。同居人はともかく、自分で書類を作成して応募する研究者は、日頃それだけの時間と手間を割ける、ということなのだろう。一方で、提出された先の事務方と先生方は、その「厚み」を審査するための、時間と手間がそれなりに割ける、ということなのだろう。

日本の高等教育は謎が多い。

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