走りの頃の電動アシスト自転車だったし、渋谷代々木あたりを走るので、交差点での赤信号待ちでよく声をかけられた。まだまだ物珍しい商品だった時代である。
「それ、電動ですよねえ、どうですか」。
正直に言えば、坂道はらくちんである。今や電動自転車と言えば、ママチャリお子様用かご付きで一般的である。走り始めに誰かに後ろを押してもらっている感じ、である。原動機付自転車、ではないので、平地では「単なる自転車」である。それでも、発進するときに楽、坂道も確かに楽である。文明の利器だなあといたく感心した。「どうですか」と声をかけられたら、迷わず「楽ですよお、おすすめです」と答えていた。
積んでいるバッテリーと言うのが結構大きくて重い。その頃だからニッカド電池である。この種類の電池は継ぎ足し充電が出来ないので、いったん放電させなくてはいけない。ちょいと取り扱いが面倒である。経年変化と使用頻度で電池容量が減っていく。
一度遠くへ出かけたらバッテリーの容量が急激に落ちた。ニッカドは突如電圧が落ちる。帰りは単なる「重たい自転車」に早変わりである。坂道らくちんどころではない。上り坂は筋トレ状態である。しかもバッテリーの買い替えは、けっこうなお値段である。
平地の多い郊外へ引っ越したのを機会に、電動アシスト自転車は他人に譲って、軽いクロスバイクに買い替えた。坂道らくちんではないが、バッテリー切れや充電具合を心配せずに乗れるのも、らくちんである。
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