そうは言っても、いまどきの学生さんはラブレターそのものも、見たことも聞いたこともない、もちろん書いたことももらったこともない、というのがいる。美術学校だから、色気抜きなのか、と思っていたが、それなりに可愛らしいお嬢ちゃんからしてそのようである。だから、スマホの文面からして「絵空事」なのである。
映像では、「映像で表現された世界」そのものが、虚構である。虚構の世界を、絵空事でつくるということは、嘘で嘘をつくことになるので、どうしても世界観にぼろが出やすい。だから、フィクションで、自分の知らない世界のストーリーをつくるときは、それなりにリサーチをすることになる。
学生さんの場合は、リサーチという商売をご存じないし、授業期間ではそこまで時間が取れない。どうしても自分の周りの世界でものごとを固めようとする。周りの世界、というのは、自分と同世代、学生さんの世界である。だから、自然と「内輪ウケ」なものになる。まあ楽しければいいのかもしれないが、表現者になるのであれば、それはあまりよろしいことではないと思う。
翻って、彼らにとって身近なのは、すでに「ラブメール」ではなく、「ラブチャット」、「ラブレター」は既に過去の話で、死語なのかもしれない。
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