ちょいと郊外の小さな市に引っ越すと、都心とは違う環境なことがいくつかある。そのうちのひとつが「防災無線」というものだ。
昼間、家で授業の準備をしていると、突如どこからか拡声器で声が聞こえてくる。
「本日、午前10時、光化学スモッグ注意報が発令されました」。
何だろうと思い、注意して市内を歩いていたりすると、拡声器の設置された鉄塔が何カ所かにあることに気付く。
「ただいまの放送は新座市役所からのお知らせでした」。
ということで、市役所が拡声器で放送しているようである。東京の都心ではないことである。
もっと地方へ行くと、各戸に有線放送のスピーカーが配付されたりしているのだが、現在の居住地では間延びしたアナウンスの「無線」である。
そんな防災無線だが、一番多い放送内容は「迷い人のお知らせ」である。
「本日、午後2時頃、年齢は76歳、男性が迷い人になりました。特徴は 身長は160センチくらい、大柄で白髪交じりの短髪。服装は桃色の防水ウェア、黒色ズボン、サンダルを着用しています。お見かけの方は警察署まで至急ご連絡をお願いします。ただいまの放送は新座市役所からのお知らせでした」。
防災ではなく、捜索無線である。
高齢化社会を反映してか、迷子ではなく迷い人なのである。しかも週に数回は放送される。
一応、「防災」なので、耳を澄ますが、「迷い人」なので話半分で聞く癖がついてしまった。本来の目的で使われたときに困るなあ、と思ったりする。
しかしまともに聞いていると、160センチくらいの大柄って、どういう体型だろうかと考えてしまう。ビヤ樽体型ってことなんだろうか。
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