こういう道具が揃っていれば、人間やることは決まっていて、何かとかこつけてメシを作る。
違う学校だが日本画専攻の友人は、鍋料理が定番だったそうである。牡蠣と味噌で土手鍋を、師匠と囲んで美術談義である。
染色をやっている工房は、お湯を使ったり煮たりするので、大きなガスコンロと寸胴鍋が工房の備品である。年末の締めに、大きな寸胴鍋でおしるこ(染色用ではなく、しるこ用の鍋が別に保管してあるらしい)を煮るそうである。
陶磁の工房も、窯に火を入れるときは、徹夜になることがある。まあ非常時の待機だから、作業的にやることはあまりない。だからやることは決まっていて、待機している研究室で飲み食いである。
そんな火をあつかう工芸学科総出の「鞴(ふいご)祭り」というイベントでは、ここ数年子豚の丸焼きが定番だという。学生と話していると、鞴の意味は分からないが、丸焼きと言えばあのイベントと思い出す。
もうすでに、料理がメインである。
同じ釜のメシ、と言うが、美術学校では同じ鍋、だったりするのである。
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