2012年7月27日金曜日

ランニングコスト


メディアが代わることは、現場で言えば技術的な問題であったりするが、やや「いたしかたない」面がある。好みで言えば、「それはいや」という表現者がいれば、幾多の面倒くさいことが増えていくだけの話である。作業のコストや手間が大幅に増えることになるのだが、それに値するものだと作り手が考えるのであれば、えっちらおっちらと乗り越えるだけの話だ。

一方、学校の現場ではそうはいかない。こちらはどちらかと言えば、「伝統技術保存」ではなく、将来性を見込む技術を取り入れるからである。一気に、というわけではなかったが、そろりそろりと、数年内に、それとなくメディアが代わっていきつつある。今や研究室の20歳代のスタッフは、8ミリや16ミリの映写機を見たことがなかったりする。いわんや操作をも、である。
フィルムがビデオになって何が良いか、と言えば、ランニングコストである。初期設備の投資はかかるが、メディアにかかるコストは格段に安くなる。だから、学生の作品でも40分とか60分のドラマがどーんと出てくる。

作品の出来としてはともかく、それだけ長いものも作れるのは、電子メディアならでは、である。しかし、長いから良いものである、とは限らない。実際には短編をつくる方がはるかに難しかったりするのである。

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