2012年7月19日木曜日

金魚


授業が終わって研究室に戻ると、テーブルの上に小さな金魚鉢があった。直径10センチくらいの小さな丸い金魚鉢、ひとすじの水草と、赤い小さな金魚が入っていて、パッケージに入った「金魚の餌」が並べてある。
学生の課題制作で、ドラマの撮影に使うのだという。明日も使うので、夜はスタジオではなく研究室にお預かり、とあいなったようである。

翌朝、授業のために研究室へ行く。数名のスタッフが、くだんの金魚鉢をのぞいて、うなっている。
「うーむ」。
明らかに金魚は昇天されていた。
確かにこんな小さな金魚鉢だし、大丈夫かなあと思ったのだった。スタッフが夜帰りがけに見ると、ぱくぱくしていたので、餌をまいて帰った、らしい。
うーむ、そのぱくぱくは、空腹を訴えていたわけではなく、酸素不足だったのでは。

その日の撮影がどうなったのか気にはなるのだが、昇天した金魚さんも気になる。
映像制作では、なまもの、いきもの、天気は自由にならないから、とよく言われたものである。
何か舞台裏を見てしまって申し訳ない気になってしまった。

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