ずいぶんと以前のことである。大学の授業など義務教育でないのだから、来るのも来ないのも学生の自主性である。自由選択授業を担当していた時は、授業では出席など取らない、と言ったこともあった。
きちんとやってくる学生は意欲満々だったりする。そういう時は授業はノリノリである。ところが、たまーに来る学生がいたりすると、全体のモチベーションを猛然と下げる。
またそういう学生は、最終的な課題が提出できないので対象外、つまり不合格になることが多くなる。かなりの割合でドロップアウトした。
ところが、その「割合」について、教務課から「おうかがい」が来た。もともと自由選択授業なので、必修ではなかったこと、卒業に必要不可欠な科目ではなかった。だからこっちもかなり「自由」なスタイルで授業を進行した。数年担当したのだが、毎年「割合」も多かった。開設担当者と相談して、授業は数年で閉講した。まあ授業の「効率」という意味では、リストラの対象にはなるだろう。
その後そのほかにもあった「自由選択授業」という科目そのものがなくなった。学生にも「余力」がなくなってきた時期だったのかもしれない。
そんなのんびりした時代ではなくなり、効率重視な大学経営を目指すようになったためか、必修の授業、選択必修の授業は、「割合」を低くする努力をするようになった。現在担当の授業は、厳しい出欠と管理をするおかげで、出席率は高いし、遅刻も少ない。全員が同じ教室にいるのだが、同じモチベーションで揃っているとは限らない。これが大学のいう「良い授業」なのかは、今もよくわからない。
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