2015年4月14日火曜日

天引き

両親が青春真っ只中の昭和30年前後は、「吊るし」つまり、レディーメードの洋服はあまり売っていなかった。
洋服は「テーラー」で、「オーダー」するものだったのである。

父親は就職したときには数ヶ月学ランで通っていた。職場が給料天引きで「背広貯金」をしてくれて、ある程度貯まったら背広を購入して出社だったらしい。
婦人服の方ももちろん「オーダー」である。だから服と同じ生地でバッグや帽子、靴なども誂える、というスタイルもあった。
洋服、には、帽子、が「セット」である。この服にはこの帽子、という組み合わせが決まっていた。丸い帽子箱がたくさん洋服ダンスの上に積んであった。

今は昔、である。

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