いつの頃からか、「リクルートスーツ」というのがポピュラーになった。
私が大学を卒業する頃にはそんなものはなく、まあオーソドックスな服装で、くらいの感じだった。
男子学生が、就職の面接のために着てくるのは「背広」である。今で言えば「スーツ」なのだろうが、上着にズボン、ワイシャツにネクタイ、という「セット」である。
当日面接があるからと、ネクタイなどしめて登校した日には、みんなで「七五三のようだ」と冷やかしていた。日頃着慣れないものだから、なおさら「借着」状態である。
ネクタイをしめたことがない学生もいて、女子学生に締め直されたりしていた。お父さんの朝の支度をよく手伝っていたらしい。どんなノットにする?、などと鼻歌交じりに聞きながら、日頃の仕返しか、思いっきり首を絞め上げていた。
七五三ではないので、ノットをあらかじめ作ってあって首回りがゴムひもになっているような便利品はないのである。
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