2014年6月6日金曜日

大物

私の学生時代は、と言えば、浪人してきた学生が多かった。

浪人と現役の比率は、専攻学科によってずいぶんと違う。短大が併設されていたので、短期大学はもちろん現役女子の比率が高い。一方で、学部の彫刻学科などは国立大学を受け続けた浪人が多く、現役女子は珍しい。
浪人、と言っても一浪は「並」で、二浪三浪もそこそこいた。ファインアートのアトリエだと、四浪五浪の「ツワモノ」もいて、現役と並ぶと「大人と子ども」みたいな感じである。三浪くらいから上は「多浪」といってひとくくりに考えたりする。
留年する学生もいるが、一度や二度の留年くらいではくじけない。最終的には、二浪二留で卒業したりする。現役合格留年なしでストレートに卒業する学生と、卒業式ではトシの差がすでに4歳である。その頃の大手メーカーの就職試験は生年月日の制限付きで、現役+2歳くらいまでしか新卒試験を受けられない。もとよりそれも織り込み済みなので、メーカーよりはプロダクション、プロダクションよりは著名デザイナーの個人事務所などが卒業後の主な行き先である。

そういった学校なので、中退、という選択肢もあった。むしろ早く社会に出て、会社ではなく独立営業したりする。そういった人の方が「大物」になることがあって、それは「先見の明」というものであるかもしれない。大学としては「卒業生」ではないので、入学案内の宣伝材料として使いにくい、らしいが。

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