2014年6月13日金曜日

協同

1年生が初めて私のクラスにやってくるのが5月の初めである。
すでに1ヶ月ほど過ぎているので、クラスの中はほどほどにぬるく仲良し、という感じである。

映像、という専攻分野では、何かにつけて「グループワーク」になる。
一人ですべての作業をするにはタスクが多すぎるからだ。

絵画では、ひとりですべての工程をまかなう、というのが今は一般的である。しかし中世の絵画工房は「グループワーク」つまり、徒弟制度によって成立した。作業は細分化され、それぞれの工程を実施する弟子がいた。指示体担当、絵具担当、メディウム担当、などといった具合だ。総括して監督するのが「先生」であり、作家名として歴史に残る。分業制だったことがよく分かって面白いのは、ダビンチが弟子時代に描いた「脇役」とか「その他大勢」といった人物が、先生の描いた「主役」を食ったりしていることである。1枚の絵を、先生一人が全部描いていた、というわけでもなかったようだ。

翻って、商業映画では物語の終了後、たいていは恐ろしく長いエンドクレジットが入る。映画館では、エンドクレジットを見ないで映画館を出てしまう人すらいるくらい長いことがある。それだけ多くの人が関わる「グループワーク」ではある。

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