今や写真と言えばデジタルで、まあ普通に「カラー」なのである。暗室作業の伴うアナログ写真の基本は「モノクロ」で、カラーはその次の作業だった。
モノクロの作業では、単色光のコントロールでプリントをつくる。カラーの場合は、フィルターで光に色をつけながら作業をするので、やることはその4倍くらいある感じだ。
白か黒か、というのは単純な物差しだが、カラーになるとRGBというフィルターで光に色をつける。Rだけを強くしても思い通りの色にならないなら、GとBのフィルターを弱くする、といった具合である。もう一つめんどくさいのは、プリントに出てくる色はCMYで考えると言うことだ。
小学校の頃に、赤青黄色が三原色、と教えられるのだが、実際はそうではなく、光の三原色がRGB、色材の三原色がCMY、というのである。加法混色、減法混色という言い方を色彩学では習う。映像のブラウン管やディスプレーなどはRGBで微調整を行う(本当はもう少し細かい設定があるが割愛)し、印刷物の色のコントロールはCMYというインクの色で決めていく(本当はKとか特色とか、ほかにもいろいろとテクニックがあったりするが割愛)。カラー写真のプリントは、RGBでCMYの色をコントロールしなくてはならないから、二重にめんどくさい。4倍どころではなく20倍くらい面倒な感じだ。
デジタルで写真の作業をしている学生が、よくディスプレイ上の色とプリントアウトした色が合わない、といった愚痴を言っている。それはディスプレイがRGBで、プリンタはCMYKでアウトプットしているからだ。高校以下ではこういった色彩の原理はあまり詳しく教えていないようなので、いきなり厳密なカラー管理をしようとしてパニックになっていたりする。
アナログもデジタルも、カラーはめんどくさいのである。
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