今や写真と言えばデジタルで、シャッターを押すことさえ出来れば大丈夫、な時代になった。ありがたいのかありがたくないのかはよく分からない。
アナログな方は、光学やら化学やらの賜物、という感じが強かった。どちらかと言えば、理科の実験風なのが暗室作業である。暗室作業が好きになるタイプは、整理好きだったりデータ取り好きだったりする。勘、とか、雰囲気、だけでは作業は思い通りの結果にならないからだ。
美術学校の授業なので、最終的には1枚のプリントを仕上げる、ことが目標である。しかし、何年かに1人は暗室作業の「作業」だけに没頭するタイプがいた。
データをやたら細かくとって、テストプリントをかなり厳密にとり、プリントの技術は完璧、だったりする。修整無し、レタッチなしで、このクオリティはすごいよねえ、という出来だ。しかし撮影されているものは、とってもしょぼかったりするのである。もう少し、せめて構図を考えた方が、とか、背景にこれが映り込んでいなければ、とかいった具合である。
一方同じクラスの学生に、撮影した写真はいいのだが、もう少し暗室技術があればなあ、というのもいたりする。足して2で割れればいいのに、と思わせるクラスもあった。
デジタルの作業だと、こんな感じではなく、コンピュータのディスプレイの上でうんうんとうなっていたりする。この「すごいクオリティ」は、本人の作業ではなく、コンピュータとか周辺機器、アプリケーションの性能とか能力によるところが大きかったりする。「精進のし甲斐」があまり見えないような気がする。
0 件のコメント:
コメントを投稿