2012年11月25日日曜日

立場

考えてみれば、私が学生の頃は、校舎は冷暖房完備ではなかったし、校舎内禁煙という状況でもなかった。
お堅い方のミッションスクールから現役で大学に行ったので、もちろんまわりの浪人経験済みの学生はとうに成人式を過ぎている。酒もタバコもオッケー、で、びっくりである。

教室の中には、学食の厨房で使ったとおぼしき、大きなケチャップやソースの缶が置いてあって、それが「灰皿」である。机も床もタバコの焼け焦げだらけ、狭い教室の壁はもとは白かったのだろうが薄い茶色である。まあさすがに授業中にタバコを吸う学生はいなかったが、休み時間や放課後は当然のようにタバコタイムである。

2年のある授業の講師は初日に、コーヒーの入ったマグカップを持ってやってきて、授業開始後いきなりタバコに火をつけた。いわく「俺は教える側で大人なのでタバコを吸うし、飲み物も持ち込むが、君たちは学ぶ側で俺とは立場が違うので、タバコを吸ったり飲食をしてはならない」。講師はくわえタバコで学生の作品を見てチェックをしたりしていた。途中で切れたタバコの買い出しや、コーヒーのお代わりを学生は言いつかった。こっちも息抜きがてら近所の酒屋にショートホープを買いに行った。
ある日、個人の作業チェックで時間がかかっていて、教室の隅で待ちくたびれた学生がタバコに火をつけた。講師はそれに気付くと、作業を中断してその学生のところに行って、教室から追い出した。会話は聞こえなかったが、学生の方も、抵抗せず出て行ったので、自分の非を知っていた、というところだろう。立場、というのは、簡単には越えられないものである、と知った。あるいは、授業中にタバコを吸いたければ教える側になるということだ、とも思った。

その頃は、そんなもんだと考えていたし、別に不満もなかったが、今だったらパワハラとかアカハラで問題になるのだろうなあ。

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