2012年11月24日土曜日

なう

初夏になってくると、メディアは水分補給を声高に叫ぶようになってくる。熱中症の予防である。
それはそれで構わないのだが、ところ構わず水分補給という習慣は、ときどきいかがなものかと感じることがある。

数十年前にアメリカのハイスクールに行ったとき、コカコーラの缶を机の上に置いて授業を受けている生徒がいて、びっくりしたことがある。こちとらがちがちのミッションスクールの女子学生で、食欲制御がけっこうやかましかったからだ(飲食物の持ち込みは弁当以外不可。また、早弁とか間食、下校時の買い食いは、ばれるとけっこう、いやかなりまずかった)。

今や大学の授業では、コーラの缶どころではなく、ペットボトルやら500mlくらいのジュースの紙パックにストローをさして、机の上に置いていたりする。授業をするこっち側は、3時間しゃべりっぱなしだったり、実習中は学生の間を走り回っていたりで、水を飲むヒマもない。授業を受けている方は、紙パックからストローでリンゴジュースをちょいちょいと飲みながら、あるいは下手をするとおやつを食べながら授業を受けていたりする。

ずいぶん以前から、学生は「ながら族」であると言われていた。教壇の上はテレビのようなもので、お客さんはポップコーンを食べながら視聴する、というスタイルである。最近はもっとエスカレートしていて、私語雑談は当たり前、携帯電話やスマホで誰かとメールやらLINEやらでやりとりしている。「授業なう」などと誰かにつぶやく前に、ノートをとってほしいものである。

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