2012年11月23日金曜日

無意識

ペットボトルというものが世間に出現してからどのくらいになるだろうか。缶ジュースは飲みきらなければならないもの、であったが、飲みかけに蓋をして後で続きを飲むということは、とても画期的に思えた。当時、大人は水筒を持ち運ぶ習慣もあまりなかったので、ことさらである。
ペットボトルを持ち運ぶ、という習慣が一般的になってくると、気になるのはTPOである。

特に夏になると「水分補給」を声高にメディアが叫ぶようになったので、大人も子供もペットボトルや水筒を持ち運ぶようになった。いまどきの小学生は、毎日水筒持参である。「いつでもどこでも水分補給」は健康のためにはよいと言われるようになってから、人はのどの渇きを我慢することなく、ペットボトルで水分補給である。無意識にペットボトルを取り出して飲む、のである。
だから、大学の図書館の閲覧室、美術館のロビーや展示室なんかで、ペットボトルを取り出して飲もうとしている人を見たときは、目を疑った。本人的には、のどが渇く—ペットボトルを取り出す—飲む、という行動が無意識に行われていて、悪気はないのだろうが。

習慣とか無意識とかいうのに、ときどきびっくりさせられるのである。

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