「縦割り」なカリキュラムでは、それぞれが「基礎的な学習」、それのステップ2、ステップ3、といった段階的な授業を組むことが多い。いきなり、応用編からは始まらない。
最初の頃は専任がお互いに遠慮していたかもしれないが、隣の「縦割り」なカリキュラムに口を出すことがあまりなかった。私の方も、専攻ジャンルの授業補佐が忙しく、他のジャンルの授業についてはあまりアンテナを張ってはいなかった。
最初の学生が入ってきて、授業を始めてしばらく経った頃、言われたことがある。
「何度も同じネタを違う先生から聞く」。
つまり、違う「縦」でも、「基礎」的な授業で使われるネタは、共通のものが多かった、ということなのだった。映像系の学科なので、同じような映像作品を見せられることも多かったようだ。例えば、ある映画の冒頭10分だけを授業で流して、あとは各自見るように、という指示の授業が二つ、三つはあったらしい。もちろん、その先の講義の内容はそれぞれに違うのだろうが、学生としては、消化不良な印象があったり、違う授業における新鮮味がなかったりしたのだろう。
一方で、同じ作品についての評価が、先生によって全く異なったりすることもあったらしい。ある先生は絶賛し、ある先生はこき下ろしていて、高校出たての学生は戸惑ったようだ。
「横」方向へのアンテナや、連絡、相互確認があれば、学生さんの戸惑いもあまりなかったかもしれない。
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