勤務しているセクションのひとつは、1990年に始められた学科である。その頃から新設学科が、たくさん出来るようになったのだが、その「はしり」の時分だ。
毎年、新聞には文科省の新設学科の承認などが出る時期がある。
役所が何を想定していたのかは知らないが、子どもの数が増え、高等教育のニーズが増えると思ったのだろう、ずいぶんとその頃から新設校や新設学部、新設学科が申請、認可されるようになった。
数年前は、とある大臣が、とある大学の新設を認可しなかったことで話題になった。
新設学科の申請と認可というのは、けっこう大変な作業のようで、準備期間を含めて何年間かが費やされる。事務方の作業も大変なものだと、後で聞かされた。
一発申し込んでOK、というわけではなく、途中の審査や方向修正も含め、新設に向けて役所と交渉しながら準備作業が続けられる。人事やカリキュラム、施設の準備や予算運営など、かなり「詰めた」状態で、最後の認可が出るそうだ。だから、あの時点で「認可しない」というのは、当事者にとっては寝耳に水、だったはずだ。それまでの準備の苦労や、人材の確保、施設や設備の準備も、パーである。
開設準備は、ずいぶん前から始められる。数年、といっても1−2年どころではない。だから、数年後のニーズが変わっても、突如舵を切るわけにはいかないのだろう。だから、子どもが減るのに新設学科が増えている、という奇妙な現象に見えるのだろう。それがとある大臣の発言につながったような気がする。
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