2014年3月13日木曜日

季語

景気が良くなっているのかどうか分からないが、新聞には「春闘」の見出しが出る季節である。
「春闘」とは春の季語にあたるそうだ。のんびりした印象があるが、私が中学高校時代はまさしく「春闘」だった。

春闘とは、ベースアップを求めて組合が会社側に要求をする。会社側が、要求をのまなければ、組合は実力行使に出る。大概の場合、それは「ストライキ」という作戦である。
春先になると、駅や工場には横断幕がかかる。「春闘、がんばろう!」「目標、ベア○○%!」、なにしろ全共闘世代が組合員である世代なので、威勢がいい。夕方何時までに会社が要求を受け入れなければ、ストライキに入る。工場は動かないし、電車も動かない。働く人は「出勤待機状態」であり、駅の改札口は「ストライキのため閉鎖中」とロープが張ってあったりする。
交通機関で言えば、私鉄、国鉄(まだJRではない)、都市交通局と、それぞれが交渉に入る。全部が違う会社なので、東急はストライキ中だが、京浜急行は動いている、という状況になったりする。
学校は、最寄りの路線が動いていれば授業をする、というルールになっていた。東急が止まっても、国鉄が動いていれば授業はある。だから、東急路線の生徒は、何が何でも国鉄路線にたどり着いて学校に行かなくてはならない。動いている路線やバスを確認し、遠回りして学校に行かねばならない。

一方で、京浜東北線が止まれば、思いがけない「休日」状態になる。生徒としてはありがたーく、お休みする。ある年、はなはだしくストライキが行われ、週末が絡まったのでほぼ1週間ほど「ストライキによる休校」になったことがあった。これくらいだと、ありがたーく、ではなく、むしろ不安になる。授業の遅れはどうするのか、来週は詰め込み授業になるのではないか、夏休みは減ってしまうのではないか。

昔も今も、私は小心者である。

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